「大牟田市は18.1%」これ何の数字かわかりますか?
「18.1%」は、2018年の大牟田市の空き家率です。
データで見ると、大牟田市は全国平均よりも1.3倍以上高い、非常に空き家の多い地域ということが分かります。
■全国と大牟田市の空き家率■
空き家率=空き家数/全住宅数×100=10,920戸/60,260戸×100=18.1%
そもそも「空き家」とは?
国土交通省では概ね1年以上住んでいない、または使われていない家を「空き家」と定義しています。
皆さんの周りに空き家はありませんか?結構たくさんあるかと思います。
一方で、大牟田市は高齢化が進んでいます。
- 大牟田市の高齢化率 37.6 %(2022年4月)
さらに高齢者の世帯数を割合を見ると、実に全世帯数の1/4の世帯が、高齢者のひとり住まいです。
項目 | 世帯数(戸) | 世帯数の全体に対する割合(%) |
---|---|---|
大牟田市全体 | 55,845 | 100.0 |
65歳以上の高齢者のいる世帯 | 30,326 | 53.3 |
65歳以上の単身世帯数 | 15,043 | 26.9 |
出典:大牟田市の世帯数、大牟田市の高齢化統計について、大牟田市の高齢化統計(2022年4月)
10年後、20年後を想像してみてください
これら単身高齢者の世帯が利用している住宅が次の世代にスムーズに引き継がれ、売却や利活用がされれば問題はありません。しかし、一定数は空き家になるでしょう。既に18%以上が空き家状態の大牟田市で、仮にこのまま単身高齢者宅が空き家になると、市内の40%を超える住宅が空き家になってしまう計算になります。
(10,920戸+15,043戸)/60,260戸×100=43.1%
*数値の算出年月が違うので、あくまでイメージです。
とは言え、オレは住宅が単純に空き家になっても、それ自体は問題ではないと考えています。そもそも住宅は個人の所有物です。行政は個人の所有物(財産)に対して、どうこう言える立場にありません。
では、空き家の何が問題なのでしょうか?
空き家問題の正体は「個人の問題が社会問題化したもの」・あなたの周りに迫る危機とは?
空き家が問題になるのは↓
- その空き家を所有者(相続人等)が適切に管理を行わなず
- 雑草や樹木が繁茂
- 不法投棄などがなされる
このように近隣住民への迷惑になってしまう事。つまり『個人の問題だった空き家が、地域の社会問題化したもの』これが空き家問題の正体です。
実際に大牟田市内でも、空き家が火事になったり、空き家専門の空き巣事件が起こったりと、決して他人ごとでは済まされない状況になっています。あなたの周りにそうした危険が迫ってきているという事です。
また、空き家問題を複雑化させるものに、相続問題もあります。空き家となった実家などを売却する際には、相続手続きが必要です。しかし、その際にスムーズに相続手続が進まないといった実情があるようです。
このような状況において、大牟田市ではどのような対策をしているのでしょうか。
大牟田市が行っている空き家対策
大牟田市では以下のような対策を実施し、空き家問題に精力的に取り組んでいます。
- 「空き家・空き地相談窓口」の設置
- 近隣に危険が及ぶような老朽危険家屋に対する解体補助金の事業
- 地域の住民向けの空き家座談会を開き、潜在的な空き家問題を事前に把握し、空き家予防の重要性を啓蒙するなどの活動
空き家・空き地の相談窓口
民間業者と協定を締結し、空き家に困っている所有者やその相続人からの相談を受付け、専門家による適切な助言や提案をしてくれるサービスです。
国土交通省のモデル事業にも採択されるなど、全国的に見ても先進的で、他の自治体にはない取り組みと言えます。
オレは空き家問題に特効薬はないと考えています
長い期間をかけながらこれ以上管理放棄された空き家が生まれないよう、各個人が将来の事を考えて備えておくことが重要です。
2024年からは相続登記の義務化の法律が施行されます。そうしたことも皆さんが空き家問題を考える良いきっかけになるでしょう。
空き家問題は、行政任せにせず行政・民間企業・地域住民が連携し、管理放棄された空き家を少しでも減らすために、今できる事は何なのか、何をやるべきなのかを考え、備えておくことが重要です。
ここまでが、空き家問題の概要と大牟田市の現状です。オレの考える、空き家問題を解決に導くための具体案は、また別の機会に・・・
難しい問題が多くあることは知ってます。アイデアや実際に心配ごとがある方は声を聞かせてください。
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